家づくりの知識
リフォームで失敗しない!インテリアコーディネートをプロ解説
リフォームで理想の空間をつくるには、色・建材・照明のバランスがとても重要です。
どれか一つでもちぐはぐだと、仕上がりがアンバランスに感じられることがあります。
ここでは「リフォームで失敗しないインテリアコーディネート」を3つのステップで解説します。
1.方向性(スタイル)を決める
理想の住まいづくりの第一歩は、「どんな雰囲気・デザインの空間にしたいか」という方向性(スタイル)を決めることです。
スタイルを明確にしておくと、色・素材・照明などの選定に統一感が生まれ、空間全体のバランスが整います。
近年はどのスタイルにも「シンプル」や「モダン」の要素を取り入れた、上品で落ち着いた空間が人気です。
また、リフォームしない部位や既存家具をそのまま使う場合は、それらの色や質感との調和を意識して計画しましょう。
スタイル別の特徴と色の組み合わせ例
スタイルは人によってイメージが異なり、言葉だけでは伝わりにくいもの。
打ち合わせでは、SNSや雑誌で見つけた好みの画像を担当者に見せながら「こんな雰囲気にしたい」と共有するのがおすすめです。
ホテルライク

上質で落ち着いた非日常感。グレージュやホワイトを基調に、ウォールナットやブラックを合わせると高級感が引き立ちます。鏡面素材やゴールド/シルバーのアクセントも効果的。
北欧

自然素材とやさしい色合いで心地よさを演出。オフホワイトやペールブルー、ベージュの淡いトーン+明るい木目(メープル/バーチ)が定番。
レトロ・ヴィンテージ

懐かしさと無骨さが魅力。ブラウンやネイビーをベースに、アイアンや古木を組み合わせると雰囲気が出ます。パーケットフローリングやブロンズ金物で個性をプラス。
フレンチ

エレガントで上品。アイボリーやペールグレーを基調に、ダスティピンクやライトゴールドを合わせると洗練された印象に。大理石やアンティーク家具とも好相性。
ナチュラル

木目の温もりを活かす明るい空間。ナチュラルオーク+ホワイト/ベージュでまとめると、どんな家具とも調和しやすい万能スタイル。
色の明暗で印象が変わる
同じ間取りでも、壁・床・天井の色の組み合わせ次第で「広く見える」「落ち着く」「明るい」など印象は大きく変わります。
- 明るい色(白・ベージュ・ライトグレー):空間を広く見せ、採光の少ない部屋にもおすすめ。
- 濃い色(ダークブラウン・ネイビーなど):落ち着きや高級感を演出。暗く感じる場合はアクセント使いに。
- トーン合わせ:暖色系/寒色系のいずれかでトーンをそろえると調和しやすい。ホワイト・グレー・ブラックなど中間色は“つなぎ役”として有効。
2.建材を選ぶ

スタイルが決まったら次は建材選び。サンプル確認は実際の配置に近い向きで行うのがコツです。
床材サンプルは寝かせて、壁材は立てて並べると、光の当たり方や陰影が施工時に近くなり、仕上がりが想像しやすくなります。
色は朝・昼・夜で印象が変わります。自然光と照明(電球色・温白色・昼白色)双方で確認しましょう。
自然なムラがある商品はサンプルを2枚以上確認するのがおすすめです。
質感(手触り・反射・凹凸)にこだわると雰囲気がぐっと上がります。
- マット:やわらかく上品。北欧・ナチュラルに最適。
- ツヤあり:光を反射して高級感。ホテルライクやモダンに。
- 凹凸素材:陰影が生まれ、壁の表情づけに有効(アクセントウォール向き)。
2-1.床材を選ぶコツ
床は部屋全体の印象を左右します。色・木目・耐久性・メンテ性を総合判断。
- 複合フローリング:表面にシートや突板を貼る構造で反りにくく、メンテ性も良好。
- 塩ビタイル(フロアタイル):石目・木目の再現性が高く、コストを抑えつつ意匠性を出したい場合に最適。
- カーペット:柔らかさと吸音性を付与。寝室などに◎(掃除・ダニ対策は要検討)。
2-2.天井材・壁材を選ぶコツ
空間のトーンを決める“背景”。素材と質感が仕上がりを左右します。
- クロス:厚みのある品番は下地の凹凸を拾いにくく、仕上がりがきれい。
- 塗材:珪藻土やモルタルなど左官仕上げは風合いと質感が魅力。
- 貼材:ウッドパネル・石材・タイルは存在感があり、ポイント使いで効果大。
2-3.建具・設備(ドアやキッチンなど)を選ぶコツ
材質・色・デザインの統一で空間にまとまりが生まれます。既存部位が残る場合は、既存カラーに合わせるかホワイトで調整するのが定石。
- ドア:LDは採光あり、居室は採光なし、トイレ・洗面は表示錠付きが一般的。
- 枠や巾木:ホワイトは空間を広く見せ、アクセント色とも合わせやすい。
- 設備:交換のみの場合も、周囲の内装色とバランスを取ると自然に仕上がる。
3.照明を決める

リフォームで意外と後悔しやすいのが照明計画です。
「暗い」「明るすぎる」原因の多くは配置や光の色(色温度)のバランス不足。
照明は“明るさの量”だけではなく、当て方と種類の組み合わせで立体感と奥行きを生み出します。
器具


| 器具の種類 | 特徴・使い方 |
| シーリングライト | 天井直付け。空間全体を均一に照らす定番。 |
| ダウンライト | 天井埋め込み。すっきり見え、複数配置でムラを抑制。 |
| ペンダントライト | ダイニングやカウンター上のアクセント。手元を集中的に照らす。 |
| ブラケットライト | 壁付け。廊下・寝室に柔らかな光を追加。 |
| スポットライト | 絵や棚を強調し、空間を引き締める。 |
| 間接照明 | 壁や天井を照らして高級感と奥行きを演出。 |
光色

同じ空間でも光色で印象は大きく変わります。迷ったら調光・調色機能付きが安心。
| 光色 | 特徴・おすすめの場所 |
| 電球色(約2700〜3000K) | 暖かくリラックス。リビング・寝室に。 |
| 温白色(約3500〜4000K) | 自然な明るさ。ダイニング・洗面室に。 |
| 昼白色(約5000〜6000K) | 白くはっきり見える。キッチン・勉強部屋に。 |
配置

- キッチン・ダイニング:手元をしっかり照らす(手元灯・ペンダント・ダウンライト併用)。
- リビング:テレビやソファに直接光が当たらない配置で落ち着きを確保。
- 多灯分散がおすすめ。用途に応じてスイッチ回路でゾーン分け(例:TV周りは落ち着いた明るさ、ダイニングはしっかり照らす)。
- 「光と陰のコントラスト」を意識すると、空間に奥行きと表情が生まれます。
まとめ
理想の空間づくりは、スタイル・建材・照明の3要素のバランスがカギです。
どれか一つに偏らず、全体の調和を意識することで、居心地のよい住まいに仕上がります。
少しの工夫で部屋はぐっと洗練されます。理想のイメージを描きながら、あなたらしい空間づくりを楽しんでください。
